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面会交流について審判前保全処分が認められた事例

面会交流について、審判前保全処分が認められたという珍しい裁判例
(福岡家庭裁判所 令和4年6月28日)がありましたのでご紹介します。

怒っている男性

事案の概要

〇当事者
申立人 父 43歳
相手方 母 41歳
長男 7歳(自閉症のグレーゾーンとの診断あり)
長女 7歳

〇別居
母である相手方が子供二人を連れて別居
別居期間約1年半
(いずれも掲載された事実の概要から推定)

〇別居後の面会交流の状況
別居から3ヶ月半後、相手方の弁護士の事務所で2時間
申立人と子らは和やかな時間を過ごすことができた
それ以降の面会交流は一切なし

〇直接的な面会交流を認める上で不利になりそうな事情
・相手方の強い面会交流拒絶の意思
・同居時に、申立人が自宅のリビングルーム等で私的な会話を複数回にわたり録音していた
・調停終了後に相手方を尾行するよう申立人が興信所に依頼
・同居中に申立人が、長男や相手方に対し暴力を加えたという相手方及び子らの話
・別居後の面会交流実施後、子らの精神状態が不安定となり、長男については申立人からの暴力によるPTSDが再燃した。長女についてはPTSDを疑うとの良しの診断あり

一見すると直接的面会交流を否定されそうな要素を含む上記事案について、原審は、月1回3時間の直接的な面会交流を実施するよう命じる審判とともに、かかる面会交流を仮に実施するよう命じる保全処分を出しました。

なお、かかる保全処分は、高裁(福岡高決令和 4年12月21日)で取消のうえ却下されていますが、 上記の直接的面会交流を命じる審判は、高裁(福岡高決令和 4年12月21日)でも維持されていますので、面会交流ができなくて悩まれている方にとっては、励みになる裁判例だと思います。
以下、上記裁判例について、解説します。

審判前保全処分とは?

審判前保全処分というのは、審判が効力を生じるのを待っていたのでは、権利の実現が困難になる蓋然性が高い場合に、いざ審判が確定したときに備え、権利を実現できる状態を保全しておくことをいいます。
子の監護に関する処分との関係では、子の引き渡しを求める審判において、審判で決着がつく前に、仮に子供を引き渡してもらうよう求めるために審判前保全処分の申立てがなされることが多いです(家事事件手続法157条1項)。

かかる保全処分を、面会交流にも活用しようとしたのが本件の事案になります。
面会交流の調停や審判は、長期化する傾向にあります。
その間、監護親(子を監護している側の親)が面会交流の実施を頑なに拒んだ場合、非監護親は、審判が確定するまでの間、一度も子供に会うことができないことがあります。また、こういった事案では、 時間の経過とともに、両親の紛争の影響を受けた子供が面会交流への拒絶反応を示し始めることがありますので、審判の決着がつく前から、なるべく早期に面会交流を開始し、良好な親子関係を維持しておくことが望まれます。

なお、多くの場合、保全処分は本案審判と同日に出されることになりますので、保全処分を申立ててもすぐに面会交流が開始できるわけではありませんが、こういった事案は高裁に持ち込まれることが多いですので、 即時抗告の有無にかかわらず、確定を待たずに、審判を受ける者への告知により効力が生じることに意味があります(家事事件手続法109条第2項、74条2項)。

審判前保全処分とは?

①保全の必要性

②本案認容の蓋然性
となります。

家事事件手続法157条によると、①の要件について、「子その他の利害関係人の急迫の危険を防止する」必要性が求められています。
本件では、原審は、かかる要件を緩やかに解釈し、「監護親の面会交流拒否の姿勢が明らかで、任意の面会交流実施の見込みが乏しいこと」 「父子の断絶がこれ以上長期化することは、未成年者らの心身の健全な発育に悪影響を及ぼす恐れがある」として「保全の必要性あり」と判断したのに対し、 高裁は、かかる要件を厳格に解釈し「保全の必要性なし」との判断を示しました。そして、これが結論の分かれ目となりました。

必要性の要件について、「子その他の利害関係人の急迫の危険を防止する」との文言を文字通り解釈すれば、面会交流がなされていないことをもって、 「子に急迫の危険」があると判断される事態は通常は考えにくいことから、今後も、この点の解釈が変わらない限り、面会交流の審判前保全処分を認めてもらうことはハードルが高いように思います。

〇直接的面会交流を命じた審判について
先に述べました通り、本件は一見すると直接的な面会交流を否定されそうな事案にも思えますが、本件原審は、一連の経緯を詳細に分析し、 夫婦間の問題と親子間の問題を区別することで、面会交流の実施が子らの利益に反するものということはできないと結論付けました。

経験上、監護親の面会交流拒絶の意思が強い場合、裁判所は、当面、手紙やメール等での間接的な面会交流を続け、子が○歳になったときに再協議しましょう、といった対応を促すことが多いと思います。
裁判所がこのような対応をする理由としては、監護親の意思に反して無理に面会交流を命じたところでなかなかうまくはいかないだろうということと、子らが再度の紛争に巻き込まれることを防止しようとの意図があるものと思われます。

本件事案においても、審判で命じられた毎月1回3時間の面会交流が継続的に実現されているかどうかや、審判後に父子関係の再構築を図ることができたのかどうかはわかりません。
しかし、正当な理由もなく面会交流が実施されていない事案が非常に多い実態を考えると、裁判所が積極的に面会交流を命じる旨の審判を出すことは、監護親の面会交流についての認識や社会の流れを変えるという意味で、有意義なことなのではないかと感じました。

なお、本件裁判例についても、それぞれの置かれた立場によってさまざまな主張や見方ができると思います。
面会交流に悩まれている方は、弁護士に相談してみるのも良いかもしれません。

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