Q.妻は児童扶養手当がもらえるから、養育費を払う必要はないのでしょうか?
離婚後に子を育てる妻が児童扶養手当をもらうことになるとしても、そのことを理由として養育費を払う必要がなくなることはありません。
もっとも、養育費をもらっていることを理由として児童扶養手当をもらえなくなったり、あるいは、もらえる額を減らされる可能性はあるので注意しましょう。
養育費とは未成熟の子が独立して生計を立てることのできる年齢になるまで、その子の親が扶養のために払うべきお金をいいます。
この親の子に対する扶養義務は生活保持義務であると言われており、具体的には親は自分と同じ生活を子が送ることのできる程度にその子を扶養する義務があります。
養育費は子の両親が分担するものであり、婚姻中(同居中)は生計を同一にしているため特に問題にはなりませんが、離婚後(別居後)は親の家計が別々になるため、公平に養育費を分担する意味から、子を養育する親は他方の親に対し養育費を請求することができます。
児童扶養手当とは、離婚によりひとり親になった家庭の生活安定と自立支援を目的として地方自治体から支給される公的な手当のことです(※名称が異なる場合もあります)。
平成22年8月1日より前は母子家庭に支給される手当であったので母子手当と呼ばれていましたが、同日以降は父子家庭にも支給される手当になったことから、その名称も児童扶養手当に変わりました。
児童扶養手当は未成年の子を育てている家庭を経済的に助けるための制度にはなりますが、あくまでも養育費による子の扶養が優先であり、それでも経済的に苦しい場合に更に公的手当により補充するという関係にあります。
養育費の算定は、子の年齢、数、そして両親の収入により算定されます。 このとき、児童扶養手当のような公的手当は親の収入には含まれません。
なぜなら、先ほど説明したように児童扶養手当はあくまでも養育費の支払があってもなお経済的に不安定な家庭を助ける補助的な制度だからです。
つまり、公的手当があるから養育費を払わなくていいとか、養育費の額はその分少なくていいということにはならないのです。
まず、児童扶養手当は、親が離婚した場合に子が18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間、その子を養育する者に支給されます。
但し、児童扶養手当が支給されるのは、子を養育する者の所得が一定以下の場合に限られます(所得制限といいます。)。
児童扶養手当の手当額と所得制限については以下の表のとおりです(出典:愛知県のHP「児童扶養手当」)
表1 児童扶養手当の手当額(加算額)愛知県のHP参照
区分 | 金額 |
---|---|
本体額 | 10,160円〜43,070円 |
第2子加算 | 5,090円〜10,170円 |
第3子加算 | 3,050円〜6,100円 |
表2 児童扶養手当の所得制限
扶養親族の数 | 金額は | |
---|---|---|
全部支給 | 一部支給 | |
0人 | 490,000円未満 | 1,920,000円未満 |
1人 | 870,000円未満 | 2,300,000円未満 |
2人 | 1,250,000円未満 | 2,680,000円未満 |
そして、所得制限に関する所得の計算は年間収入額−必要経費(給与所得控除額等)+養育費の8割−8万円(社会保険料相当額)−諸控除となっています。
この計算式から分かるように、児童扶養手当の所得制限に関する所得の算定においては養育費の8割が所得として加算されることになりますから、もらっている養育費の額によっては所得制限により児童扶養手当がもらえなかったり、一部減額されてしまうことがあるのです。
以上のとおり、妻が離婚後に児童扶養手当を受給することになるからといって養育費を払わなくていいということにはなりませんし、また、養育費を減らしていいということにもなりません。
但し、実際には当事者同士の話し合いにより養育費の額を決めることもできるので、元妻と話し合って児童扶養手当をもらうことができるから養育費は払わない、あるいはその分だけ少なくするという内容の合意ができれば、実質的には児童扶養手当の受給を理由に養育費の不支給あるいは減額ができたことになるでしょう。
児童扶養手当はあくまでも養育費だけでは足りない部分を補うものですが、結局当事者同士の話し合いにより養育費の額を決めてしまえば、後はそれを前提として手当の支給が判断されます。
元妻からしても約束した養育費が払ってもらえないリスクを負うより、確実に支給される手当を当てにするほうが安心するでしょうから、児童扶養手当の受給を見越して養育費の支払について交渉することで、結果として養育費を支払ってもらいやすくなるかもしれません。
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令和6年4月3日に名古屋家庭裁判所岡崎支部に離婚請求事件 について審判が出ました。
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