質問者:男性
Q. 私には5年間お付き合いをしている女性がいます。
私からプロポーズをし、先日私の両親と相手の両親へ挨拶に行き、結婚の意志を伝えました。
私の両親も相手の両親も快く了承してくれました。
しかし、最近私が10年前に自己破産した過去があることを相手の女性が知り、先日女性から別れてほしいといわれました。
私の自己破産は過去のことであり、私としてはそれを理由に婚約破棄されるのは納得いきません。
私は相手の女性に慰謝料請求をすることはできるでしょうか?
具体的な事情にもよりますが、慰謝料請求ができる可能性もあります。
婚約とは、将来において適法な婚姻をすることを目的とする契約(結婚の予約)のことをいいます。本件ではプロポーズをして、双方の両親に結婚の意志を伝え、了承を得ているのですから、婚約が成立していると判断される可能性が高いといえます。このように婚約が成立しているにもかかわらず、正当な理由なく婚約を破棄された場合には、相手に強制的に結婚をさせることはできないものの、相手に対して慰謝料を請求することができることがあります。
神戸地判平成14年10月22日裁判所ウェブサイト
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=7116
(一) 婚約は、当事者双方の将来夫婦になろうという合意で成立するものであり、必ずしも結納の授受その他一定の形式は必要でないが、将来における婚姻という身分関係形成を目的とした合意として当事者の自由意思が強く尊重されるべき分野の事柄であることに照らすと、結納その他慣行上婚約の成立と認められるような外形的事実のない場合には、その認定は慎重になされなければならないというべきである。
東京地裁平成15年7月17日 現代における婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立する(憲法24条)ものであるから、いわゆる「婚約」は、本来的に一方当事者のみの意思表示により解消され得る性質を有する。したがって、被告が原告と婚姻しなかったという結果自体から直ちに婚約不履行という債務不履行責任が生じるものではない。しかしながら、他方、婚約は、将来法律上の夫婦になることを前提としてその実現に向かって当事者双方が準備行為を行っていくことを合意するものであり、婚約成立後は結婚という目的に向けて様々な事実行為、法律行為が積み重ねられていくことが予定されているから、客観的にみて婚姻を解消することに正当な理由があると認められないような一方的な婚姻解消を行う者は、婚約成立以後に、結婚という目的のために積み重ねた行為によって相手方に生じた損害について、相当な範囲でこれを賠償すべき義務を負うと解するのが相当である。
どのような理由であれば正当な婚約破棄の理由といえるかはその事例によって個別具体的に判断されることになりますが、相手方の不貞行為があったり、異常な性癖があることが発覚したり、暴行があったり、その他婚姻生活を維持しえない事情が認められれば婚約破棄も正当であると認められやすいでしょう。しかし、親が反対した、占いで結婚はまだ早いと言われた、信仰の不一致などは正当な理由とは判断されないことも考えられます。
本件の自己破産はどうでしょうか。まず、経済面については失業などで収入がなくなってしまい、婚姻生活を維持することができなくなった場合などは正当な理由にあたると考えられます。しかし、10年前の自己破産は、そのような場合とまではいえません。
もっとも、自己破産について、聞かれていたけど不誠実な対応をして隠していた場合、あるいは、これに加えて現在も金銭面で不安を抱えている場合などは円滑円満な婚姻生活がおびやかされるおそれがあるといえ、それによって正当な理由と認められる可能性もあります。
交際が開始するよりずいぶん前の自己破産ですので、これを理由に婚約を破棄することは不当であるとして慰謝料を請求することが考えらえます。当事者同士での話し合いをするとこじれることも多いので、ひとまず弁護士へ相談されることをおすすめします。
事務所外観
より良いサービスのご提供のため、離婚相談の取扱案件の対応エリアを、下記の地域に限らせて頂きます。
愛知県西部(名古屋市千種区,東区,北区,西区,中村区,中区,昭和区,瑞穂区,熱田区,中川区,港区,南区,守山区,緑区,名東区,天白区,豊明市,日進市,清須市,北名古屋市,西春日井郡(豊山町),愛知郡(東郷町),春日井市,小牧市,瀬戸市,尾張旭市,長久手市,津島市,愛西市,弥富市,あま市,海部郡(大治町
蟹江町 飛島村),一宮市,稲沢市,犬山市,江南市,岩倉市,丹羽郡(大口町 扶桑町),半田市,常滑市,東海市,大府市,知多市,知多郡(阿久比町 東浦町 南知多町 美浜町 武豊町))
愛知県中部(豊田市,みよし市,岡崎市,額田郡(幸田町),安城市,碧南市,刈谷市,西尾市,知立市,高浜市)
愛知県東部(豊橋市,豊川市,蒲郡市,田原市,新城市,北設楽郡(設楽町 東栄町 豊根村))
岐阜県南部(岐阜市,関市,美濃市,羽島市,羽島郡(岐南町,笠松町),各務原市,山県市,瑞穂市,本巣市,本巣郡(北方町),多治見市,瑞浪市,土岐市,大垣市,海津市,養老郡(養老町),不破郡(垂井町
関ヶ原町),安八郡(神戸町 輪之内町 安八町),揖斐郡(揖斐川町 大野町 池田町),恵那市,中津川市,美濃加茂市,可児市,加茂郡(坂祝町 富加町 川辺町 七宗町 八百津町 白川町 東白川村),可児郡(御嵩町))
三重県北部(四日市市,三重郡(菰野町 朝日町 川越町),桑名市,いなべ市,桑名郡(木曽岬町),員弁郡(東員町))
三重県中部(津市,亀山市,鈴鹿市)
静岡県西部(浜松市,磐田市,袋井市,湖西市)
令和6年4月25日に名古屋家庭裁判所に夫婦関係調整(離婚)調停申立事件 について家事調停を申立てました。
令和6年4月10日に名古屋家庭裁判所に婚姻費用分担調停申立事件 について家事調停を申立てました。
令和6年4月3日に名古屋家庭裁判所岡崎支部に離婚請求事件 について審判が出ました。
令和6年4月2日に名古屋家庭裁判所に夫婦関係調整(離婚)調停申立事件 について家事調停を申立てました。
令和6年4月2日に岐阜家庭裁判所に離婚等請求事件 について審判が確定しました。
令和6年4月1日に名古屋家庭裁判所一宮支部に離婚等請求事件 について人事訴訟を提起しました。
Copyright © 名古屋総合リーガルグループ All right reserved.
運営管理:名古屋総合法律事務所 弁護士 浅野了一 所属:愛知県弁護士会(旧名古屋弁護士会)
〒460-0002愛知県名古屋市中区丸の内二丁目20番25号 メットライフ名古屋丸の内ビル6階(旧丸の内STビル) TEL: 052-231-2601(代表) FAX: 052-231-2602 初めての方専用フリーダイヤル:0120-758-352
■提供サービス…交通事故,遺言・相続・遺産分割・遺留分減殺請求・相続放棄・後見,不動産・借地借家,離婚・財産分与・慰謝料・年金分割・親権・男女問題,債務整理,過払い金請求・任意整理・自己破産・個人再生,企業法務,契約書作成・債権回収,コンプライアンス,雇用関係・労務問題労働事件,対消費者問題,事業承継,会社整理,事業再生,法人破産■主な対応エリア…愛知県西部(名古屋市千種区,東区,北区,西区,中村区,中区,昭和区,瑞穂区,熱田区,中川区,港区,南区,守山区,緑区,名東区,天白区,豊明市,日進市,清須市,北名古屋市,西春日井郡(豊山町),愛知郡(東郷町),春日井市,小牧市,瀬戸市,尾張旭市,長久手市,津島市,愛西市,弥富市,あま市,海部郡(大治町 蟹江町 飛島村),一宮市,稲沢市,犬山市,江南市,岩倉市,丹羽郡(大口町 扶桑町),半田市,常滑市,東海市,大府市,知多市,知多郡(阿久比町 東浦町 南知多町 美浜町 武豊町)愛知県中部(豊田市,みよし市,岡崎市,額田郡(幸田町),安城市,碧南市,刈谷市,西尾市,知立市,高浜市) 愛知県東部(豊橋市,豊川市,蒲郡市,田原市,新城市,北設楽郡(設楽町 東栄町 豊根村)) 岐阜県南部(岐阜市,関市,美濃市,羽島市,羽島郡(岐南町,笠松町),各務原市,山県市,瑞穂市,本巣市,本巣郡(北方町),多治見市,瑞浪市,土岐市,恵那市,中津川市,大垣市,海津市,養老郡(養老町),不破郡(垂井町 関ヶ原町),安八郡(神戸町 輪之内町 安八町),揖斐郡(揖斐川町 大野町 池田町),美濃加茂市,可児市,加茂郡(坂祝町 富加町 川辺町 七宗町 八百津町 白川町 東白川村),可児郡(御嵩町))三重県北部(四日市市,三重郡(菰野町 朝日町 川越町),桑名市,いなべ市,桑名郡(木曽岬町),員弁郡(東員町))三重県中部(津市,亀山市,鈴鹿市)静岡県西部(浜松市,磐田市,袋井市,湖西市)